この記事を書かせていただいている今、天気予報の通り雨が降ってきました。
一雨ごとに秋から冬へと季節が変わっていくのですね。
さて、最近道具のお話しが続いていましたので、今回は建物ではなく、お庭の改修工事のご紹介です。
既設のウッドデッキが経年劣化で傷みが大きくなってきたことから、タイル貼りのテラスへの改修工事をご依頼いただきました。
現場は、三田市内のニュータウン。街区の角地に位置するこのお宅は、街路樹が素晴らしい車道より幅の広い遊歩道と、緑地に囲まれたとても緑豊かな空間の中に位置しています。
ニュータウンの中でもとても贅沢な空間に思えました。
さて、工事の概要は、傷みの激しい既設のウッドデッキを解体撤去し、同じ場所にタイル貼りのテラスをつくるというものです。
解体撤去後、整地した上で、砕石を運びこんで転圧し、テラスの高さまで盛土していきます。
ただ、地盤面からそんなに高くするわけではないので、10cm程度の盛土でしょうか・
盛土と転圧作業が完了した後、タイルの下地となるコンクリートを打設するのですが、補強のためにワイヤーメッシュを敷き込んでいきます。
ところどころ、更に補強するために鉄筋も入れておきました。
下地の準備ができたところで、コンクリートを打設して、コテ押さえし、タイル下地の完了となりました。
今回はタイル貼り仕上げのため、コンクリートをそれほど綺麗に押さえているわけではないのですが、コンクリート打ちコテ押さえで仕上げる場合は、左官職人さんが表面の乾きぐわいなども見極めながら時間をかけて、納戸もコテで押えていくことになります。
また、滑りにくくないようにしたり、スロープなどの斜面のような場合は、金鏝ではなく、木ごてで仕上げたり(結構粗い表面)、ブラシやほうきで表面をざらざらに仕上げたりと、様々な工法で仕上げられていきます。・・・左官屋さんの腕の見せどころですね。
今回は、タイル貼り仕上げになりましたので、コンクリト工事のあと、磁器質タイル300角を貼っていきました。
完成後の写真を見ていただければ一目瞭然ですが、今回は2色混合でチェック柄で仕上げています。
ちょっとどのような仕上がりになるのか、実際に貼ってみないとなかなか予想しにくい部分もあったのですが、それは余計な心配におわり、出来上がりはとても綺麗になったと思います。
今回、テラスの形状も普通の四角形ではなく、敷地の形状に合わせて、台形になっていますので、両サイドは、タイルもカットされて貼られています。
もちろん、写真の通り、テラスの立上り部分の側面のタイルもチェック柄になっています。
建物の外壁の色とも違和感なく綺麗に収まっていると思います。
本当は、テラスの高さをもう一段高くして、以前のウッドデッキとほぼ同じにすれば、掃出窓からの出入りがやりやすく、使い勝手も良かったのですが、そうすると、やはり排水と床下への通風換気に問題があるのでこの高さで妥協していただきました。
もちろん、通風換気などを確保しながらテラス床面を高くするため、ステンレス製のグレーチングなどを使う方法もあるのですが、今回は費用対効果や、お庭とのアクセスも考慮してこの形状になりました。
少し段差がついてしまったテラスへのアクセスは、枕木の踏み台を設置しました。
中古の枕木ですが、高さの調整をベルギーレンガでしつつ、調整とクッション兼ねて、ゴムを間に挟んでいます。
枕木は2本をかすがいで固定して置いてあるだけですが、普通に利用するには問題なく、使いながらメンテナンスや、配置換えも自由にできるのいいのではないかと思います。
枕木は、直接地面に置いて造園などに利用すると、腐りにくいとはいえ、素材(樹種など)によってはあっという間に腐食し始めることがありますが、このような使い方だと、比較的長期間にわたって使い続けることができるのではないかと期待しています。
最後の改修工事完了後の建物全景です。
違和感なく収まっていると思いますがいかがでしょうか。
屋内から見るお庭の景色も、ウッドデッキの手摺がなくなった分、すっきりして広く感じられるようです。
今回ご依頼いただきましたお施主様には、とてもセンスよくタイルの色柄を選んでいただきました。
施工者としては、なかなか冒険することができないので、単色で無難に仕上げてしまいますが、職人さんたちも少し手間は増えますが、楽しんで作業されているようでした。
最後になりましたが、今回弊社へ大切なお住まいの改修工事をご依頼いただきましたことに感謝し、この場をお借りしてお礼申し上げますととともに、このテラスが、これからも末永くお住まいとともにお施主様にご利用いただけましたら幸いです。
*ご利用いただいたタイルは、INAX製の磁器質タイル300×300でした。
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