直せば、まだまだ使える!

アルミサッシ
見ればわかりますが、窓です。

弊社事務所のある三田市では、ただいま雷さんがごろごろと太鼓を叩いておられるご様子(お昼すぎに書いています。)。

 

ほんとに勘弁してほしいというぐらいに落雷事故があるところなので、ちょっとひやひやしながらパソコンに向かってこの記事書かせていただいておりますです。

 

さて、今回は「直せば、まだまだ使える!」とタイトルに書かせていただきましたが、これが最近けっこう難しくなってきています。

 

 

 

建築、住宅には、故障と修理はセットというぐらいにつきものだと思います。

 

数年どころか数十年、中には数百年と使わるものもありますが、その間に故障しないとか、修理不要なんていうことはありません。

 

かならず傷んでくるところがありますから、それをその都度修理、補修しながら大切に使ってきたのです。

 

ただ、最近の建物は、電化製品と同じく、樹脂、プラスチック部品や電子部品が多く導入されるようになってきた結果、故障しても修理、補修をするための部品がないという状況が多くなってきました。

 

特に給湯器やトイレの温水洗浄便座などは、けっこう故障するので、よく修理のご依頼をいただくのですが、メーカーの修理担当者に来ていただいても、あっさり「部品がありません」、「修理不可能です」「新しいものに交換してください」なんて言われてしまい、現場でお施主様以上にがっかりすることが多いのです。

 

まあ、担当者さんが悪いわけではないのですが、あまりにあっさり言われるのと、新しいのに交換なんて言われてもとても高額な商品ばかり、おまけに、使えないと日々の生活にとても支障をきたすものが多いのでほんとに困ってしまうのです。

 

と、まあ、最近は大変だと言いつつ、反対にインターネットの普及に伴って、職人さんや、知り合いの業者さんにだめだと言われても、ネットを使って修理方法や部品を探し出すことが可能となり、なんとか補修ができて、またしばらく使用できるといった事例も出てくるようになりました。

 

 

 

破損した戸車
戸車がありません!

今回は、そのような事例の中からアルミサッシの戸車交換の事例をご紹介させていただきたいと思います。
今回リフォーム工事をさせていただいた物件のサッシがとても建付けがわるく、滑りもわるいので、取り外してみたところ、戸車が劣化、破損してなくなっているところが見つかりました。

 

 

裏返してみても、戸車の部品が何もありません。
戸車の部品が何もありません。

また、外観からは戸車が付いているように見えたのに、外してみたら、戸車の樹脂部分が劣化破損してばらばらになっているところも発見。

 

サッシ本体もとても古いので本来なら全体を交換するのがいいのでしょうが、予算含め、ガラスも最近なくなってきたようなデザインのため、できればこのままもうしばらく使いたいということに。

 

それでは、戸車を交換してみましょうと考えたのですが、こんな形状の戸車私は見たことがなったので???となってしまったのでした。

 

建具のメーカーも不明のため、事務所でネット検索を続けた結果、近畿車輛の製品だと判明、交換用の戸車もまだ入手可能であることが確認できました。

 

 

新しい戸車が到着!なんか、簡単な包装ですが。
新しい戸車が到着!なんか、簡単な包装ですが。

今回交換用に用意した戸車は、近畿車輛 製のサッシ取替戸車で、 中軸タイプ 近畿車輛用06S (KINKI KJ.) というタイプのものでした。

 

どうもビル用サッシでマンション・公団公社UR 都営住宅・公共住宅・団地用として多く利用されていたもののようでした。

 

 

中身拝見! 新旧くらべてみました。
中身拝見! 新旧くらべてみました。

この中軸タイプというのを私は見た記憶がなかったのですが、どこかで知らず知らずに見ていたけど、隠れている部品なので気が付かなかっただけなんでしょうね。

 

それで、どこから入手しようかといろいろと検索してみましたが、実際には取り扱っている(ネット上で販売している)業者さんがなかなか見つからず、結果楽天に出店されている 千六屋さんというところから入手させていただきました。

 

正直なところ、この部品でこのお値段は、ちょっと高めじゃないの?と思いましたが、比べるところもないですし、特殊な部品なので仕方なし。早く入手できることを優先しましたが、発注から配送までは大変スムーズに行っていただけましたので、その点感謝です。

 

 

破損した戸車発見!
破損した戸車発見!

さて、早朝一番に黒猫さんが届けてくださったので交換にと思いましたが、雨が降ってきたので1日後の本日交換に行ってきました。

 

まずはサッシを枠から取り外して古い戸車を取り外します。そう言いながら、半分はすでに戸車がないのですが。

 

 

新旧ならべてみましたが、偏心しています。
新旧ならべてみましたが、偏心しています。

今回の戸車、簡単な構造に見えて、実はとても考えられた製品で、戸車取り付けビスが中心になく、ほんの少し偏心して取り付けられるようになっています。

 

最初見た時、これなんで?なんて思いましたが、くるくる回してみると戸車の高さが変わるようになっていまして、ビス一本の固定で建具の調整もできるようになっているのでした。

 

 

取付完了!
取付完了!

そのため、戸車には取付方向を示す矢印がついており、既設の交換の場合は、既設の矢印の方向を取り外す前に記憶しておけば、同じように取り付けると、建具の調整もほぼ完了となる便利ものでした。

 

ただ、今回は、戸車がない状況でしたので、いったん仮付して建付けを調整しながら戸車を交換固定させていただいて、作業が完了しました。

 

 

室内から見ると戸車取付、調整用のビスがあります。
室内から見ると戸車取付、調整用のビスがあります。

建具そのものが多少古く、長年戸車のない状況で利用されていたために、サッシのレールそのものを少し磨り減っており、新品同様になりました!とまではいきませんが、普通にご利用いただける程度の状況までは回復したようで、これで、またしばらくはこのサッシをご利用いただけるものと思います。

 

ほんとに小さな部品なのですが、このような部品を供給していただいている限り、サッシの補修ができるわけで、その間はご利用を続けていただける可能性が出てきます。

 
ぜひ、メーカーさんには、大変なのは承知の上で、特に重要な消耗品については、できるだけ長く提供していただくとともに、部品の共通化などにも取り組んでいただきたいものです。

 

 

古くなってすり減った戸車。
古くなってすり減った戸車。

 

 

 

あと、合わせて網戸の戸車も交換してみました。

 

こちらは、現場近くのホームセンターで部品を発見、すぐに交換してみましたが、座年ながらその効果はサッシほどではありませんでした。

 

 

新しい戸車に交換しました。
新しい戸車に交換しました。

 

 

理由は、既存の網戸本体の傷みが大きく、すこしがたつきがあるため、スムーズに動かしにくいということなのでした。

 

 

 

部品ひとつで、とても快適になる場合もありますし、なかなか調整等大変な場合もありますので、その点はご了解いただかないといけないと思います。

 

 

ただ、この修理などを通じて、今後1年でも2年でも長く使っていただけましたら幸いです。

 

 

 

このように、部品さえあれば、そしてそれを使って修理できる職人さえいれば建物の寿命が少しでも伸びていくことになります。

 

修理なんかやめて新品に交換したほうが手間暇も簡単で、工事をさせていただく私たちも安心できるのですが、やはり修理できるところは修理して使い続けるという、この国の伝統を守っていくというのもいいものではないでしょうか。

 

次の現場でも、その次の現場でも、ぜひ「直せば、まだまだ使える!」と言えるようにがんばっていきたいと思います。

 

 

サッシ戸車はご自身で用意したけど、だれか交換してくれないかな?なんてご相談も、お気軽にお問い合わせください。できるだけ、がんばって見ますので。

中川住研三田営業所 TEL.079-568-0375 または、お問い合わせフォームから。
篠山市、三田市周辺のお客様の場合、比較的に早めにお伺いすることが可能です。