本日、2014年8月30日付の神戸新聞1面に「震度6弱で倒壊恐れ1084万棟」という記事が掲載されていました。
震度6弱で1084万棟倒壊恐れ 兵庫は45万棟
住宅を含め建物の構造などの基準を定めた建築基準法は、たびたび改正されてきましたが、現行の建築基準法で定められた安全基準などを満たしていない建物を「既存不適格」といいます。
震度6弱以上の揺れで倒壊する危険性が高いこの「既存不適格」の住宅(持ち家)が全国で1084万棟あることが神戸新聞社の調査でわかったというものです。最も多いのが東京都で77万棟、次いで大阪の67万棟などと続くが、兵庫県は7番目に多い45万棟らしい。
阪神淡路大震災を経験し、その後も淡路の震災や東北、長野などの大きな震災を見聞きしてきた中でも、この数値。古くて耐震性の低い住まいの耐震改修はなかなか進んでいないのが現実なようです。
旧耐震基準による住宅の耐震化率でいうと、静岡県が8.5%で最大。次いで宮城県が6.8%、愛知県が6.2%と続き、兵庫県は5.8%で4番目という結果。3%未満の自治体は、18道県ありました。
この既存不適格の耐震性能に注目が集まったのが阪神淡路大震災で、約25万棟が全半壊しました。国は、1995年12月に耐震改修促進法を施行し、2015年に耐震化率90%を目標にしているのだが、なかなか・・・な状況。
この耐震改修が進まない理由として、改修工事費は自己負担なため、特に高齢者の住まいを中心に耐震化が遅れていると言われている。
兵庫県をはじめとして、各市町も含め、この耐震改修に必要な耐震診断、計画策定、改修工事費への補助なども行われているが、より一層の普及啓発なども必要なようです。
地震は、土砂災害や水害、津波など以上により広範な地域、建物が影響を受けます。そして何より活断層などはどこにあるのか、どの程度の危険性があるのかまだまだ未知の部分が多い。
自分のところは大丈夫、地震はこないといった保証は何もないに等しいのです。「想定外」という言葉がはやりの時代であるが、「既存不適格」の住宅は、構造的には現在の最低基準を満たしていない危険な建物である危険性が高いということをきっちり認識しないといけないと思います。
さて、危険性は認識したのだが、その後はどうしたものか?ということになります。やはり工事費の問題が一番であることはまちがいないのですが、それ以前に現在生活している建物を改修する際の負担といった物心両面の不安もあると思われます。
こういうとき、ぜひ、市町の窓口や耐震改修の経験のある建築士などの専門家にも相談していただければと思います。
前述の通り補助制度が用意されていることもあり、うまく活用すれば効率よく耐震改修できることもありますし、費用をできるだけ抑えた耐震改修の工法なども開発されてきています。
何より、実際に耐震診断、耐震改修等されてきた事例などについて聞いたり知ったりすることは、耐震改修への不安を払拭することにもつながるでしょう。
何もせずに諦める前に一度相談していただき、ぜひ、ご家族の安全・安心の確保に努めていただければ幸いです。
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