未登記空き家: 困った 所有者不明、対策取れず 戦後の混乱期に多発
毎日新聞 2014年10月13日 東京朝刊
http://mainichi.jp/shimen/news/20141013ddm041040163000c.html
弊社のある篠山市、三田周辺でも空き家が問題化しつつあります。
10月13日付の毎日新聞に「未登記空き家:困った 所有者不明、対策取れず 戦後の混乱期に多発」という記事が掲載されていました。
いろいろと空き家の問題が取り上げられるようになってきた中、自治体への近隣住民などからの空き家問題に対する要望なども多くなってきているようですが、肝心の空き家の所有者の特定に行き詰まり、対策が打てないとう状況が増えてきているようです。
普通は、住宅やその敷地は、登記されていると思いがちですが、実際には空き家の所有者を確認しようとした所、約半数が不明、そして未登記がそのうち3割を占めていたということです。
私有財産についてなんとかしようとしているわけなので、所有者がわからない状況では、いくら自治体と言ってもなかなか次の手が出ない状況なのでしょう。
秋田県の男鹿市の調査では、所有者に連絡が取れない73軒の空き家のうち、約半数が未登記という実態らし。聞き取り調査で空き家の所有者を探そうとしても、なかなか特定できないことが多いようで、特に長年第三者に貸し出されていたりすると、余計に複雑になってきて、実際の所有者にまでたどり着くことが困難な状況だということでした。
不動産登記法や旧家屋台帳法では、1947年以降、家屋を新築した所有者には登記・登録(面積や所有者名など)が義務付けられています。でも、住宅をローンを組まずに自己資金で建てた場合(時代や田舎などで)は、権利関係を示す登記の必要性が少なかったということもあったりで、未登記の物件が多いようです。
また、相続の問題もあるようで、相続人全員が相続を放棄している場合など不動産の登記簿には亡くなった被相続人の名前のままになっているようで、登記簿をみても、誰が相続人であるからない。
そもそも相続放棄をしたかどうについても家庭裁判所に問い合わせなければなりませんし、問い合わせるには債権者であるなどの利害関係人である事実を疎明(証明のようなもの)していかなければならないようです。
これでは、お隣の空き家から雑草や蔓草が伸びてきて大変だから所有者になんとかしてほしいといった程度では、とてもじゃないけど、実行に移せないでしょうし、移すとしてもその労力と費用が大変なことになりそうです。
自治体が調査する場合なら、固定資産課税台帳に記録されている所有者又は当該所有者の相続人なんかを探しだすことも可能かも分からないが、いろいろな法律や、業務の煩雑さ、費用などを考えると大変な状況であることは間違いなさそう。
一応、あまりに危険な建物や、衛生上問題のある老朽化した建物などは、建築基準法の規定で撤去や修繕はできるようだけど、ただただ荒れ放題の庭木や雑草の処理までは規定がないので、放置されるがまま、諦めないといけないということになる場合が多そうですね。
今、各自治体では空きや条例(篠山市にも同様の条例があるようです)といって、主に所有者に適正な管理を求め、所有者に変わって撤去したり、撤去のための費用の一部を補助したりする制度もできつつあるようですが、所有者そのものがわからなければどうなるのでしょうか。
今後いろいろな状況に対応でき、公平に負担がなされるような制度ができてくるといいのですが。
以上、空き家で迷惑を掛けられている立場からの視点でしてが、建物を所有している立場、「空き家」と言われる建物を所有またはこれから相続使用している立場からするとまた違った意見や思いが出てきそうです。
そういう視点からの制度設計もお願いしつつ、当面は所有または相続される建物の適切な維持・管理に努めていただいて、迷惑だなんて言われないようにすることが必要ですね。
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