建築物の設計等の業務を契約する際の新しいルールが定められました。
建築物を建てる際には、建築士事務所に所属する建築士が建築基準法などに適合した設計を行い、その設計に基づいて施工会社が適切に施工をおこなう必要があります。
施工の際には、設計図書通りに工事が行われているかを適切に確認するために、建築士による監理がおこなれることとなります。
これらの一連の業務に関しては、書面で契約を行っておくことが、のちのトラブル防止のためには必要なことは言うまでもございません。
ただ、書面による契約は、実際にはおこなれなかったり、内容がまちまちであったりして、たびたびトラブルになっていたことも事実です。
そのため、昨年6月に建築士法が改正され、一定の条件に該当する場合の義務と努力義務の規定などが置かれることとなりました。
1.建築物の設計・工事監理に関する契約の適正化
- 対等な立場での公正な契約締結及び誠実な履行が求められます(契約の原則)。
- 延べ面積300㎡を超える建築物の設計または工事監理に関して、書面による契約の義務化。
- 延べ面積300㎡を超える建築物の設計等の業務の一括再委託(丸投げ)の禁止。
- 国の定める告示15号に準拠した適正な委託代金で契約することの努力義務など。
契約は、300㎡以上が法律上の義務化ですが、当然300㎡以下の建築物、リフォーム工事などの設計・監理業務でも書面による契約書を締結しておいたほうがよろしいかと思います。
もちろん、工事の場合も同様です。
また、契約の前には、重要事項説明が必要ですし、契約後は書面の交付が必要となります(契約事項に必要事項が記載されていれば不要となります:6月の法施行以降)。
2.建築主への情報開示
- 建築主が提示を求めた場合の建築士免許証の提示義務。
- 建築士事務所に所属する建築士の氏名等の登録事項への追加
その他にもいろいろと法改正が行われ、建築設計業務の適正化が推進されることとなります。
どうしても曖昧になりがちな設計、監理等の業務の適正化を進めるための法改正ですが、近年でも建築士免許証の偽造や事務所登録内容を偽ったりして不適切、不適法な業務を行う悪質な業者が存在していたことなども原因と思われます。
建築士や建築士事務所が業務を行うためには、個人の建築士の免許証(規模に応じて木造、二級、一級がある)と、その資格に応じて事務所登録されていることが不可欠です(事務所にも木造、二級、一級の種別あり)。
これらの情報は、登録機関により公表されていますし、それぞれの建築士や建築士事務所が会員として建築士会や建築士事務所協会などに所属しているということも、一定の資格の確認、評価にもつながることでしょう。
ぜひ、大切な建築物の設計、監理などを依頼される場合は、これら最低限の条件だけはご確認の上、適切に書面による契約を締結されることをお勧めいたします。
建築物の設計・監理等関しても、お気軽にお問い合わせください。
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